焼菓子の気ままにっき

クッキーがついたーじゃ書ききれないこととかをここにまとめておくだけのやつ

同人誌を作った感想

0,はじめに

 こんにちは、菓変'zzzです。ブログで会うのは久々ですね。何か月ぶりですかね、少し待っていてください。ブログを漁ってきます。

henkotu-kasi.hatenablog.com

 4か月前ですね。一年の1/3ですね。わーお!

 まあそんなことが話したいわけではないんですよ。私のブログの更新遅いねとかブログなんてやってたんだね(笑)とかそういったことが聞きたいわけじゃないんです。

 まあタイトルにもあるように、同人誌を作ってきたということでして。その感想兼備忘録という形で書かせていただきます。こんな変な語り口ではありますが、そこのところはよろしくお願いします。

 一部本のネタバレを含むので、「まだ読んでいないが…?」という人は戻ることをお勧めします。買うつもりがないというのであれば進んでも大丈夫です。

 ちなみにですが、本はここで購入が可能なのでどうぞ。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2103833

1,本を作るきっかけ

 本のことについて話すためには、まず本を作るきっかけについて話さないといけませんね。特に話さなくてもいいんですけど、これくらいは記録に残させてください。

 私はよく「〇〇してえな~」と言いながら全く行動をしないという癖があります。有言実行とは真反対の存在です。さらに言うと、覚えていても1分経つと忘れます。記憶能力が鶏レベルです。

 それもあって私は何かを実行するのが非常に苦手です。最初の一歩を踏み出せず、諦めてそのまま忘れてしまった出来事もいくつかあります。今書いてる時でも思い出しました。龍泉洞いつ行こうかな…

 同人誌の製作というのもそのうちの一つで、昔から「本出して~」というそんなふわふわとした願望を抱いては飛散しての繰り返しでした。本を作るにも原稿だとか絵の依頼だとかそういったことは一切分かりませんから、回避レベルが高い私はついっ…Xでぼそぼそ呟くしかしません。形のない妄想を垂れ流すのだけは出来ますからね。

 さてそんなある日。とある作業通話にお邪魔してマイクラの作業をしていた時でした。その時に一緒に作業していた人にこう言われたわけです。

「菓変先生は本出さないんですか」

「いやあ…出したいですけどね…」

 そんなことを言われて、私は少し考えました。本を出したいとかこういうのを書きたいとかいつもほざいていますが、行動に移すのは極稀です。なんなら言わない方が実行率が高いまであります。こうして人に言われてもなお、私は逃げの体勢です。

「どうしようかずっと悩んでるんですよ、出したいけどなというだけで」

「書く内容は決まってますか」

「ありますね」

「誰に挿絵お願いするとか」

「決まっています」

「実はこの日にイベントがあるんですけど」

 外堀が埋まるのが早い。妄想を呟くだけあってある程度の案はすでにできていたんですが、その一歩が踏み出せていませんでした。

「ブルーマーケット8か…」

「あとは清渓川で会いましょうっていうイベントがあります。ブルマ8よりも締め切りが長いです」

 言葉を聞いて検索をかけました。HPでは締め切りとありましたが、過去の動向からして二次募集が来る可能性が高いとのこと。

 私は悩みました。期間はおよそ二か月ちょっと。これだけ道を塗装されている状態でも、私は優柔不断です。「早く行け!」と背中を蹴られない限り、私は中々微動だに…

 ア!!!!!!!!!!誕生日!!!!!!!!応募しちゃお!!!!!!!!!

2,原稿開始、前半戦

2-1,挿絵の依頼

 私の思考はバカでした。開催日時が誕生日なのでやることにしました。とはいえまだサークルは応募出来ない状態。じゃあゆっくり原稿でも書こうかと思っていました。

「じゃあまず挿絵の依頼をしましょう」

「早すぎないですかね」

「早い方が良いんです」

 挿絵・表紙絵の依頼というのは、当然絵描きさんの都合によって出来るか否かが変わります。スケジュールはどうか、構図の指定は正しいか、そういったことも決める必要があるので、絵描きさんのためにもなるべく早く依頼する必要があったわけです。

 私は最初からこの人にすると決めている人がいました。AQZというお方です。

AQZ (@whitebait_point) / X

 この人の描く絵が結構好みなんです。ふわふわと柔らかで、かつじんわりと温かい。全体的な色味や、表情といったところが本当に「良い」んです。私が書く予定であった物語の内容としても、この人しかいない!と断言できるほどでした。

「依頼する時って…どうすれば…?」

 ただ問題として私は絵の依頼というのをしたことがありません。というか大体の人がそうです。私はなにも分からないので、どういった事項を書いてお渡しすればいいのかがさっぱり分かりません。構図だけ送り付けても当然何も分からないというのは分かっていても、他に何が必要なのかは分からないんです。

「それじゃあ、依頼する時の例としてこれを」

 渡されたのは、所謂テンプレートのようなもの。依頼料はこれくらいだとか、締め切りのこととか、指定するサイズのこととか。

 私は一切知らなかったんですが、作る本のサイズに合わせて「これくらいです」というのを伝えないといけないようです。印刷会社によって指定は変わるのですが、今回私は紹介された印刷会社「ねこのしっぽ」さんにお願いすることにしました。とりあえず中を読んで、中の情報を紙にぺたぺた。

 ここで私が一番困ったのは、やはり依頼する時のお金。どれくらいが良いのか、相場だとかそういったことは悩みました。当然安すぎても迷惑ですし、多めに出したいという気持ちもありますが…

 少しばかりネットの情報も頼りましたが、流石にこれは個人の感覚にもよるものです。人によってお金の価値なんて変わりますから。なので、依頼ということならば絵にどれくらいの時間をかけられるか、それに合わせて時給を考えたらどうだろうと思いました。

 私は過去に絵を描いたことが何度かあります。なのでどれくらいの時間がかかるかは容易に想像がつきま…せん。自分でも描いたことがない構図なのに、人がどれだけ時間をかけているかなんて分かりません。泣きました。

 こうして散々悩んだ結果として(具体的な数字は伏せますが)「もし私が依頼を受けるとしたらどれくらい必要だろう」という思考の元に報酬を決めました。

 構図と締め切り、報酬やサイズなど、必要なものを紙に書き出します。それをGoogleのスプレットシートに打ち込んで、PDFに加工。AQZ先生の様子を見ながら依頼をすることにしました。

 実はこの時、AQZ先生は他のイベントがあってかなり忙しい時期でした。私はこのイベントが終わった後に提出しようかとも思っていましたが、「早い方が良い」という言葉を信じて、DMにノックをしました。

「お忙しいところすみません」

 いつものツイートでは頭のおかしな人間だと思われがちですが、流石に人様に依頼する時にそんな大馬鹿は恥にもほどがあります。人に迷惑をかけて怒られるのは嫌なので、私も自分のネクタイを締めて、面接に挑む気持ちで行くことにしました。

「挿絵と表紙絵の依頼をしたく…ブルマ8に出す予定なんですけれど…」

 私はいつだって首を斬られる覚悟をしていますが、覚悟をしているとはいえ斬られるのはやはり怖いものです。ブルブルと身体を震わせながら会話をしていました。

 悲しいことに、私は対面で話すことには問題ないのですが、ネット上の会話となると極端なまでに苦手になります。DMであれば特に。目の前の相手がどのような表情を浮かべているのか、どういう感情を抱いているのか、それが一切分からないので怯えるしかありません。例えそこにいるのがリアルで出会った友達であっても、私は怖いのです。なんででしょうね。

「…と、通った…?これで大丈夫…なのか…?」

 ある程度のやり取りを通して、私はなんとか承諾を受け取りました。やはりスケジュール的にも厳しいということだったので不安でした。もし無理だった場合は自分で描くしか…!とか思っていましたが、とりあえずは一安心。

 こうして私は表紙・挿絵の依頼を終えることが出来ました。完全に終わったわけではありませんが、一旦は大丈夫。

 さて、ここからは私のターン。絵を依頼しただけでは当然本なんかできません。私の出す予定の本は小説本。

「書き下ろし小説五話!…行けるかなあ…?」

 挿絵の依頼は、小説一話ごとに一枚。つまりここから増やすことはできても、減らすことはできません。当然今から「やっぱり減らしても良いですか」なんてどの面下げていってるんだという感じ。私はこの時点で後戻りが出来なくなったわけです。

2-2, 文章についての呟き

 文章を書くとは言え、ネタなしでは書けません。過去に私が書きたいと言っていたツイートを遡り、それを元として書きます。「これを本で書きたい」だとか「本を書くとしたらこの話入れたい」というツイートを引っ張り出して、メモ帳に書き写していきます。

 この時点で大体お察しだとは思いますが、私は「小説を広めたいから本を出す」のではなく、「本を出すという経験がしたいから小説を書く」という思考です。とはいえ駄文を貼り付けるのは私のプライドが許しません。

 書くのであれば、可能な限り私の好みを入れて出す。人に見せる文だというのに、自分の好みを入れるという謎の行動をし始めます。同人誌ってそういうものでは? 

 実際に本の元になったツイートがこれです。まんまこの文の通りの内容になりました。私がされたいと思っていたものを雑に書いたツイートがこれだったので、ならば本にして形に残そうと思ったわけです。

 私が最初に書き始めたのは、モモイと洞窟探索をするお話です。本のあとがきでも書いたとは思いますが、私は夜・雨・超近接の三要素を小説に書くのがとても得意で好きなんです。夜の涼しい時、雨音しか聞こえない時、ぎゅううっと近づいてきている時。そういったのが非常に好きで得意です。

 しかしながら、モモイとの洞窟探索はこのどれにも当てはまらないのです。好きなシチュではあるけれど、自分が苦手としている日常系というわけです。昼・晴れ・適度な距離は私が一番眠くなるタイプです。

 とはいえ、苦手なタイプを先に書き始めた理由としては、もし書き終わらなかったときの完成度を想定しました。好きなタイプは一瞬で書き終わるのに対し、こういった苦手なものはだらだらと長く書いてしまいがちです。それならば、苦手なものを少しでも進めておいて、締め切りが不味いとなったら好きなものを一気に書く。モチベをあげて、追い上げる。そういうのを想定して書くことにしました。

 私の小説は、基本的に前日・当日・後日の3つに分けられていることが多いです。自分の書きたいものを書くための前提を前日に組み立て、当日を終えた後の余韻を後日で味わう。それが私なりの小説の書き方です。

「これをするには、この話が必要。通常の関係からこの話に繋げるためには、この反応が必要で、この反応をさせるには先生がこういう行動をする必要がある」

 妄想なしで小説は書けません。私はシャーレの先生になりきって、モモイさんに合う先生に指示をして物語を書き進めました。

 彼女に合う先生とは何か。私が導き出した結果は、新人の若い男の先生でした。敬語を使い、生徒に優しく接する。丁寧でありながら、生徒のためであれば多少の無理をしてしまう。そんな先生になって、モモイさんに振り回されることになりました。

「チンピラが来たかぁ…うーん…いやまあここで戦闘…は厳しいな…」

 モモイさんの手に引かれ、洞窟に入り。鉱石を採掘して、はしゃいで。彼女と一緒に居る、と自分に錯覚させて、一日を過ごしました。それが「先生、洞窟探索の時間だよ!」です。

 次に手をつけたのは、ナツさんに添い寝してもらう小説です。ナツさんの見た目がもう…こう、私に少しずつ刺さっていって、気づいたら彼女を抱き枕にして寝てみたいという妄想が夜な夜な流れるようになったのがきっかけだったはずです。

 冒頭は少し悩みました。先生からお願いするか、彼女から来てもらうか。ただ、先生からお願いする場合、初手からナツさんが本気を出してしまう可能性がありました。ナツさんが本気を出せばどうなるか。当然私の思考が溶けて書けなくなります。私は段階を踏んでナツさんに思考をもみほぐされたいという気持ちだったので、ここはぐっとこらえてナツさんを待つことにしました。

 ナツさんが来るにはどうするか。悲しいことに、私は「過労」しか思いつきません。人に癒されるには、その人が疲れている必要があります。ならば、先生に過労というステータスを付与して、ナツさんにお願いしてもらうしか道はありません。

 しかし、先生だって大人です。そんな簡単にふにゃふにゃされては威厳もへったくれもありません。そのため、先ほどの先生とは異なり、規則に少しうるさそうな先生にしました。生徒のお願いには答えるけれど、ちょっとラインを越えてくるようであれば制止する。若干社畜っぽさを含めた、目に隈のある先生です。

 ここで、一つの本で先生のキャラがブレるのは少しどうかと思いました。しかし、絆ストーリーで先生の性格が違うというのもあり、全て同じ先生で対応するのも私は好きではありませんでした。その生徒一人一人に合う先生がいると考えて、私はそれぞれ別の先生を作り上げることにしました。

 結果として、規律に守られるがあまり欲望を頭の奥底に閉じ込めた先生となってしまいましたが、これはこれで良し。私はナツさんに対し思いっきりぶつかりたいので、こちらの方が欲望が煮え詰まってより開放感が出るように思いました。

 ナツさんとふれあう際の描写にも少しこだわりました。読み進めることで、あたかもその場にいるかのような、そうされているかのような錯覚をさせるために、体温や匂いといったものを感じる、身体が動揺する、思考が揺らぐ、欲望が肥大化するというように段階を踏んで書き綴りました。

 もしこれで実際にナツさんに抱き締められたという感覚がしたのであれば、私はこれ以上ない嫉妬を覚えるでしょう。ナツさんのぬいぐるみが販売されるそうなので、私はそれを抱きしめて寝たいです。

 その次に書いたのは、この小説のメインとも言えるノノミさんとのデート。私はノノミさんとの距離感が未だにあまりよく分かっておらず、妄想と現実を行き来してどうにか読み取ろうとしています。

 時々コーヒーを淹れてくれるのか、近くで仕事を手伝ってくれるのか、帰ってきたときにぎゅーをしてくれるのか、いたずらに耳に息を吹きかけてくるのか。その距離のラインというのは非常に曖昧で、彼女の好感度を読み取れない私はどこが一番安全で安定するかが悩みました。

 ここの先生は、ある程度日が経ち、仕事に慣れてきた先生という想定です。生徒との距離はある程度理解してきて、どういった立ち振る舞いをすれば良いかを把握しつつありますが、ある時にミスをしてしまったことでノノミさんに不安がられて胃を痛めている感じです。生徒に迷惑はかけたくないという思考が今回の話に繋がります。

 ノノミさんにお世話するされる。これは先ほどのツイートでも見たかもしれません。これがテーマになっているのですが、書き終えて振り返った感想としてはあんまりになってしまったという気持ちです。これには何点か理由があります。

 まず一つ目に、彼女はお礼を断ることが多そうであるということ。彼女は「誰かに負担をかけたくない」という思考があるように思えるのです。誕生日では先生の贈り物はなんでも良いと返していますが、全て受け取るという訳ではないと考えています。

 過去に一度彼女の前で倒れているというミスをしている以上、先生は無理をすることが出来ません。彼女に何かお礼がしたくても「あれは当然のことですから」と言われて突き返されるのが目に見えています。それもあって、お礼自体が難しかったです。

 二つ目に、彼女が中々に攻めの体勢であることが多いということ。絆ストーリーでもあるように、彼女は先生に対して割とぐいぐい攻めてきます。むしろ先生がノノミさんに対し強く出たことはないでしょう。その時点で、先生が攻めに出ることは想像しにくかったのです。

 確かに、彼女が恥ずかしがるなどと言った弱い部分を見せることはありました。ASMRでも、先生へのお礼を聞かれて慌てるところがあるため、攻めに出ることは出来るかもしれません。しかしながら、その時は大体先生も共に弱っており、ともに轟沈することしか出来ないのです。

 私としてもノノミさんにぐいぐい行くというよりかはノノミさんにわしゃわしゃされる方を望んでいたため、自然とそういった方へと変わってしまったというのは否めません。

 三つ目に、彼女のお世話というのが具体的に考えられなかったということです。耳かきや膝枕はあったかもしれませんが、流石に一度もやったことのない出来事は現実味のある文章として書くことが出来ません。マッサージをするにも躊躇が生まれてしまい、彼女に直接何かを施すということ自体が私は苦手でした。まさに陰キャ童貞って感じ

 以上のことから、私は彼女に振り回されるという方向で行くことにしました。彼女の望むことを叶えてあげようとしていたけれど、それは彼女が先生にしたいことだった。彼女は人に何かをしてあげるのが好きなように思えたので、先生に対してだったら何をするのだろう、と妄想して書きました。

 これが「優しさの理由」となったわけなのですが、理由も何もこれはもうただのデートですね。本文ではデートと言う言葉を先生が避けるようにしていますが、どうみてもデートですね。いちゃついてやがるし。ンだこの…いちゃらぶ小説…

3,サークルの準備

 大体ノノミさんの小説を書いてる間ぐらいでしょうか、サークルの再募集がかかりました。私は早速応募をしたわけなんですが、ある一つの疑問が。

サークルカット何…?」

 サークルカットとは、よくついっ…Xであげられる「この生徒のこの本出します」みたいな画像を指します。これは主催者に対して「私はこの本を出します」という宣言のようなものでもあって、これによって採用するか否かであったり、スペースの位置を決めたりすることが多いようです。つまるところ、サークルカットなしだと不採用説が出てきたわけです。

 まあ私もそんなバカではありません。サークルカットなしで応募するわけにもいかないので、サークルカットを作ることにしました。

「必要な情報を書けばよい感じか」

 私はここである一つのやらかしをしました。サークルカットはそのイベントごとに「このテンプレートを使ってください」という決め事があるのですが、私はバカなのでそれを知らずに作りました。しかもペイントソフトで文字を打ち込んだだけの絶望的なサークルカット。白背景黒文字オンリー。もうちょっと工夫の仕様があったとは思いますが、私はそれだけでいいかと思い込んでました。

 適当につい…Xでサクカのことを呟いて、原稿に戻ろうとした時でした。

「あれ?連絡が来てる」

 AQZ先生からの連絡が届いていました。何か間違いがあったかなと不安になって覗いてみると…

カワイイ!!!!!!!

 なんとわざわざサクカを用意してくれていました。大泣き。

「無茶苦茶可愛いんですけどいいんですかこれ!?」

 素で声が出ました。私は依頼するときにサクカのことをすっかり忘れていたので、もしこのままだった場合、道場によくある掛け軸のようなサクカになっていました。無茶苦茶申し訳なく思いましたね。いいのか、こんなかわいいものが…!

 AQZ先生にお願いして、文字入れをしてもらい、実際にサクカとして使わせていただきました。この全員のもちもち感、本当に良くないですか!?饅頭じゃないですか!?饅頭の詰め合わせですよ!こんなかわいい絵が!?あとで挿絵と表紙で追加で来る!?テンションぶちあがりです。カワヨイカワヨイ…かんしゃあ!

 サークル名についての余談ですが、昔に「リプに来た単語を組み合わせて一日中その名前で過ごす」というタグが流行ったことがあって、その時につけてもらったものです。正式名称は「山猫フォカッチャ レボリューション遊園地」なんですけど、山猫フォカッチャの語感が良くて、サークル出す時はこれにしようと決めていました。

 さて、サークル応募も終わり、サークルのお金も入金を終え。残るは売り子のみ!となりました。売り子。私はその言葉を反芻して考え込みました。

 今回私は本を出すということが目的です。つまりは周りの人との交流を考慮していません。確かに他のスペースを見て周って、スペース主と話すのも醍醐味ではあるのですが、私はとにかく「本を出す」ということを優先していたので、売り子はなしという方向で行くことにしました。

 ただ、今終わってから言うことではありますが、売り子は呼んだ方がほぼほぼ良いですね。席を外せるというのが何より大きくて、他のスペースが気になっても、トイレに行きたくなっても、席を離れられません。

 当然話す相手もいないので、ただただスペースでは孤独です。幸いにもお隣のスペース主さんと会話が出来ましたが、正直寂しいです。売り子の人も入場チケットが必要ないので、win-winの関係になると思います。次また本出すことになったら、誰かを売り子に引っ張ろうと思います。

 話を戻して。売り子はなしということにして、あとはスペースでどう動くか。会場では激暑・水分必須という話をよく聞くため、私は飲み物を一本持参しました。それに合わせて、左右のスペースさんに挨拶も兼ねて飲み物・お菓子の差し入れも準備。これで大丈夫だなと思い、原稿作業を進めました。

4,原稿再開

4-1,後半戦

 ここらへんになってきて、AQZ先生からまた連絡が。絵の進捗ということで、ラフを見せてもらいました。ここでは上げられませんが、むっちゃ可愛いです。私はニッコニコの笑顔になりました。やっぱり自分の推し絵師さんに描いてもらうって本当に良いですね。私はAQZ先生にお願いして本当に良かったなと思いました。心の底から。

 さて。私も負けていられません。ノノミさんのに書いた小説というのが、子供になってしまった先生がイロハさんに色々弄られる小説です。私は過去にもイロハさんに色々される小説というのを書いているので、若干ネタが被っているような気もしましたが、創作では気にしたら負けです。

 イロハさんは攻めも受けもどちらも良いんですが、やっぱりイロハさんには受けをぶつけるのが私の好みです。そのために、先生は生徒になあなあに転がされる弱めの性格にしました。この小説の中で一番ギャグ性の高い先生です。生徒には基本的にため口、気持ちを隠す素振りもなく、正直に接する。そんな軽めな先生を、イロハさんに翻弄してもらいました。

 この小説の中で、先生が仕事に従事し人に甘えない理由が「大人であるから」というものです。大人である責任を嫌々ながら背負い、なんやかんや言いながらも仕事をする。大人としてのブライドというのもあるのでしょう、それもあって本来はイロハさんに甘えることはありません。

 しかし、子供になってしまった今。大人であるというのを知っているのは目の前のイロハさんのみ。弱みを握られるという危険はありますが、それ以上に吸い込まれるような彼女の魅力。小悪魔のように笑いながらも、甘えるということを許しこちらに判断を委ねる。理性のない今、先生がする行動はただ一つになる。

 イロハさんに十二分に甘えるがために、前提をカチカチにしました。子供になってイロハさんに甘えたいですね。小学生ぐらいが一番脳が蕩けそうなので小学生ぐらいに若くしました。元大人が「赤紫の子守り」に出会うというお話。

 最後に手を付けたのは、ジュンコさんの小説。元々はグルメ巡りと書いていましたが、私は「生徒が必死なところが見たい!」という願望を追加するために、その理由付けとしてカラスに先生を襲わせました。先生はボコボコにされて良いというのが私の思考です。

 この話における先生についてはそこまで考えていません。ごく一般の、平凡な先生を想定して書きました。むしろ、私が考えていたのは「どうすれば生徒が必死になるか」という点でした。

 ジュンコさんを曇らせることは他の生徒と比べて容易です。食べ物がなくなれば、少なからず彼女は悲しむでしょう。しかし、彼女が焦る理由にはなりません。期間限定の食べ物はどうでしょう。彼女の食べ物への執念は強いです。時間通りにしっかりと来るでしょう。

 ではどうすれば良いか。私はこの問いに対し、先生を守らせるという回答をしました。よくあるテンプレートのような展開にはなってしまったかもしれませんが、それでも彼女が身を挺してでも守ろうとする理由にはなります。

 しかし、先生は弾丸一発で死ぬような貧弱な人間。弾丸は素早く、見てから守ることは不可能です。この本がR-18であれば先生に何発か弾丸を撃ち込むことも想定していましたが、流石にそんなことはできません。身の回りにあるもの、かつ先生を襲い、致命傷を負わない。そう、あの黒い鳥になりました。

 ジュンコさんもカラスについては恐らく嫌いの部類でしょう。食べ物を何度か掻っ攫われたことがあるに違いありません。いつもレーダーをビンビンにして警戒することもあるでしょう。しかし、その状態ではジュンコさんは先生を守らなくなります。そこで夢、というのをつけて守らせることにしました。

 余談ですが、カラスが出る夢は不吉な出来事があると言われています。しかし、そのカラスを撃退したり追い返すことは、これからの悪い状況を打破する何かがあるという意味があるようです。

 唯一の後悔は、ジュンコさんに恋心を抱かせられなかったことです。もしあればこの夢の意味を含ませられたんですけれど…

 まあ、何はともあれ。こうしてようやく原稿は終わりました。中々に苦しい戦いでした。この苦しさを言葉に表現するのは難しいので、ぜひ自分で体験してみてください。妄想が出来ないって首を締まる感覚がしますよ。

4-2,納品、確認

 原稿がようやく終わり、挿絵・表紙の完成を確認して、ねこのしっぽさんに納品。これにて脱稿です。

 これが実際の表紙です。無茶苦茶可愛いと思いません?このふわっふわ感。温かさ。私はにっこにこのニコォ!ですよ。ふっふふっふふふふ

 さて、脱稿し終えてなんですが、これでもうゆっくり…という訳にも行きません。サークル抽選の確認が必要です。まあナツさんの小説前にはもうすでに公開されているんですけれど。

 とはいえ、私はその宣伝が必要です。宣伝なしでも行けなくはないですが、流石に本全部を抱えて帰るとなると私の身体が耐えきれません。委託サービスはありますがちょっと泣きたくなってしまうので、宣伝。

「M-14でやります!!!」

 頭の悪い宣伝だ。そう思いながら私は何度かRTをして宣伝をしていきました。これで大丈夫、当日に備えよう。

 

 ンなわけねーだろカス!!!!!!!!

 バカは最終確認を怠ります。私もその一人でした。スペースで使うテーブルクロスや値札等々を全て買い忘れました。ブックスタンドだけ買いましたが、これ以外のアイテムは持っていくのを忘れています。なんなら現地で気づいたまであります。バカ極めすぎだろ…

5,イベント当日

 場所は東京ビックサイト。コミケで一番有名な場所ですね。本来は9時からすぐに開くという予定だったのですが、私は何を間違えたのか一時間遅く来ました。最終確認をここでも怠りました。頭が悪い。

 とはいえ、電車の乗り換えといったものはしっかり用意してあります。時間も間に合うので、電車に揺られながらついっ…Xをのぞき見します。

 しかし、ゆりかもめで向かう場所がビックサイトしかないからなのか、電車の中はほとんどが女性。恐らく売り子かサークル主なんでしょう、最初は女性専用車両にでも乗り込んだのかと不安になりましたが、どうやらそうでもないらしいですね。

これが有名な場所かあ

 さて、到着しました。ここが有名な三角形ピラミッド。私は一度も来たことがなかったのでちょっと興奮しました。人ごみに紛れて奥へと入っていきます。

 おおっと!ちょっと待ってください。どうやら同日に別のイベントもやっていたらしく、ほとんどの波はそっちのイベント方向でした。看板を持っていた人に話を聞くと、真逆の方向にあるのだと言う。そっち人誰もいないんですけど。

 その人のことを疑いながらも足を進め、そのゲートにある文字は「陸海空魔合同演習フレンズ」と書かれていました。ブルーマーケット8はこのイベントのうちの一区画で、他にも艦これや東方、けものフレンズ等があるようです。

 私はここに来てようやく「あれ?すげえデカくない?」と気づきました。元はというとオフィスの一部屋を借りる程度の大きさだと思っていたので、こんなバカデカ空間でやるなんて思ってもいなかったわけです。とりあえずスペースの区画に向かって、自分の本の確認をします。初ご対面です。

ヒューッ!

 問題なし!ヨシ!いい感じに印刷されている本を見ながら頷きました。こいつァ傑作ですよ。私は見本誌の納品をしながら、辺りを見渡します。

「…?おかしいな、周りがしっかりとした準備を…?」

 気づきました。テーブルクロス諸々は自分で用意するんですね。人生そんなうまくいかないってことです。私は苦笑いしながら左右のスペースの人に差し入れを渡しました。

 ものの2分で出来ました。この世の終わりみたいなスペースです。ここに来て無茶苦茶後悔しました。テーブルクロスも値札もないとこんなにも質素になるんですね。本の表紙がすごい良い感じなのに、スペースで完全に台無しにしてしまいました。本当に申し訳なさすぎる。

 お隣のスペースさんも苦笑いしてました。私は深呼吸をして、次は絶対に用意すると決意しながら座って待つことにしました。

 開場時間はおよそ4時間ほど。私は4時間もの間耐え続ける必要がある訳です。ここで心を折られては一時間後大泣きするでしょう。心を強く持つしかないわけです。アナウンスと共に一般参加がぞろぞろと入ってきて、ようやく始まったんだなと感じました。

 開始10分経過。やはりと言いますか、人が来ません。挨拶に来て「後で買いに来ます」と言ってくれた親切な先生はいるのですが、一般参加の方は立ち止まることはありません。このLv.1と言わんばかりのところに来るかというとそりゃ来ないですよ。私もどうするか悩みますよ。

 やはり小説本は手に取られないらしく、周りの漫画本やキーホルダーはあれど小説は見向きもされません。お隣のスペースさんがすごい豪華なのもあって、綺麗に目が吸われていきます。悔しい。俺悔しいよ。なんでスペース組み立てること考えてなかったんだろう。バカだ。

「すみません、一冊」

「…あっ、はい!?」

 ちょっとナイーブになりながらも待っていると、私の目の前に立って指を立てる人が一人。先ほどお声がけしてくれた先生です。

「あっありがとうございます!」

 初めて本が売れました。嬉しいですね。にこにこしながら渡されたお金を受け取り、本を渡しました。私の本が良いものなのかは人に委ねられる。私自身は良い作品だと思っているんですけど、実際どうなのかはさっぱり分かりません。不安だ。

 30分ほど経過。人が来ない。お隣のキーホルダーを売っているスペースには人が集まっているのですが、如何せん全く来ない。完全にこれは私のせいでしかないですね。なんで気づかなかったんでしょうね。自責の念に囚われながら、目の前の現実に向き合います。

「…試し読み大丈夫ですか?」

「あっどうぞ」

 陰キャみたいな話し方しちゃった。そういえば試し読みとかどうやらと書くのを忘れていました。見本誌置いてるのに試し読みのこと書いてないのまたこれはこれでミス。こいついつもガバしてんな。

「一冊ください」

 無茶苦茶にっこり。本が売れるペースはかなり長いとはいえ、やっぱり売れるのは嬉しいです。このまま共感者が増えて私のような小説書いてくれる人が増えてくれたら、私も筆を取らなくて済むんですけど。でも自分好みの小説は自分しか書けないんで仕方ないですよね。

「…こんにちは。私メロンブックスの…」

 1時間半ぐらい経過。メロンブックスさんです。委託サービス中ということで、本を持ってきてくれれば委託受け付けてくれるという。とりあえず今は待機という状態を取りますが、やっぱり波が過ぎ去ったのか、少しずつ撤収する人が増え始めました。ブルーマーケット8は他の所と比べて、切り上げが早い気がしないでもないです。なんでだろう。

「…うーん、これ以上は…良いかな?」

 開始から三時間が経過。流石にこれ以上は人が来ないと判断して、本を段ボールに詰めてメロンブックスさんに委託。残りの数冊は家で保管することにしました。売り上げた冊数は言えませんが、まあまあ上出来というところです。お隣のスペースさんとついっ…Xを交換して、その場で解散ということになりました。

 本当は他の人と交流をしたかった気持ちはあるのですが、仲良く会話している最中に割って入りたくないという気持ちと、私はコミュ障なので「私は…いらんか…」と勝手に悲しんだというのもあってやめておきました。でもいつかは打ち上げとかに参加してみたい気持ちはあります。人生ソロプレイヤーが打ち上げに参加できるのは恐らく一年後になるでしょう。トホホ。

6,同人誌製作を通して

 こうして帰って数日が経過しましたが、やっぱりスペースの組み立てでポカやらかしたのが一番後悔しています。ここまで色々と準備してもらったのに、全てをへし折ることをしてしまったので、今回の表紙や挿絵を担当してもらったAQZ先生や、私の背中を押してくれた先生には申し訳なさでいっぱいです。本当にすまんかった…

 本を作ったということについては、後悔はしていません。まあ赤字も赤字というところで苦しいですけれど、同人誌なんて赤字覚悟で作る前提ですから。そもそもお金稼ぐものでもありませんし、ここはすでに理解していました。どちらかというと周りに知られるというリスクが一番怖かったです。特にリアルの知り合い。

 そして、やっぱり小説はあまり選ばれにくいんだなというのも感じました。私の力量不足という点も大きいでしょう。スペースが酷いというのも。こういったところで、やっぱり「文」と「絵」の格差を感じてしまいます。世間一般的に、長文を読むのはあまり好まれない傾向があるのでしょう。

 多分ですが、次本を出すことはないと思います。優柔不断とかそういったことではなく、ただ単に「本を出す」という経験をしたので、これ以上はやらないという気持ちです。別世界線の私だったら出すかもしれませんが、少なくとも今は無理です。

 いつもPixivに出していた以上、Wordと書き方が違ってすごい苦労しました。特にセリフをぶった切らないように文量を調節するのが苦痛でした。ここまで考えて文を書くともなると、妄想するだけでは無理というのが理解できたので、これが良い経験になったなと思います。

 最後になりますが、ここまでくだらない備忘録を読んでいただきありがとうございました。今度は洞窟探索か地底湖探索の記事で会うかもしれませんね。

 菓変'zzzでした。

Be a Traveler forever.